あだし野の 果てになげたる あくがれを
かき集め居る 残照の日々あだしのの はてになげたる あくがれを
かきあつめおる ざんしょうのひび
陽は真昼 緑風を受け 気をひらき
きめ事もせず 時にたゆたふひはまひる りょくふうをうけ きをひらき
きめごともせず ときにたゆたう
風光り 四方に生命の 気は満てり
人知れずこそ 紅さして春かぜひかり よもにいのちの きはみてり
ひとしれずこそ べにさしてはる
生き生きて 背なに染みたる 切れぎれの
喜・怒・哀・楽の なんと愛しやいきいきて せなにしみたる きれぎれの
き・ど・あい・らくの なんといとしや
つるべ落ちの 生命の光 夢の波
めぐる光陰に ひたすら合掌つるべおちの いのちのひかり ゆめのなみ
めぐるこういんに ひたすらがっしょう
楽も苦も 面白かったと 大あくび
あとはオツリと シャレて楽天らくもくも おもしろかったと おおあくび
あとはおつりと しゃれてらくてん
地はうねり 川あばれ抜く 大自然よ
新世紀の生命に 何を問うてかちはうねり かわあばれぬく だいしぜんよ
しんせいきのいのちに なにをとうてか
入り相の 鐘の音咽び 江戸風情
朝顔 風鈴 熊手 羽子板いりあいの かねのねむせび えどふぜい
あさがお ふうりん くまで はごいた
(祖母に手を引かれ、毎月、手を合わせた浅草寺。父と飲んだ甘い電気ブラン。叔父と通った国際劇場。すべて幼い日の夢のワールド)
釣瓶取られ 情の河は 荒立ちしが
時を跨ぎて 程良き日和つるべとられ なさけのかわは あらだちしが
ときをまたぎて ほどよきひより
(生命の旅は、ありがとうの旅)
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- 2007/08/13(月) 17:39:42|
- 短歌集・命の旅
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湯の里に 老ひぬる瞳 かがやかせ
竹馬の友等は ひそと優しきゆのさとに おひぬるひとみ かがやかせ
ちくばのともらは ひそとやさしき
いたましき 友の姿に 気が折れぬ
傘かぶりたる 中天の月よ(今日の人の身、明日は我が身か)
いたましき とものすがたに きがおれぬ
かさかぶりたる ちゅうてんのつきよ
かひ間見し 友の幸せ 秋ざくら
月の砂漠に 浜風ぞわたるかいまみし とものいあわせ あきざくら
つきのさばくに はまかぜぞわたる
(千葉御宿の浜辺にて、優しい御夫婦が暮らす)
幼なじみの ステップゆれて 夜はふけぬ
過ぎこしかたは 夢のまた夢おさななじみの ステップゆれて よるはふけぬ
すぎこしかたは ゆめのまたゆめ
それぞれの 背なに現世を背負ひても
同窓の我等 今思い出づくりそれぞれの せなにげんせをせおいても
どうそうのわれら いまおもいでづくり
江戸弁を たたける仲の 同窓会
夢もロマンも 夕凪にとけてえどべんの たたけるなかの どうそうかい
ゆめもロマンも ゆうなぎにとけて
おさな目かわし ゆるく流れる 時のなか
今を忘れて 昔にあそぶおさなめかわし ゆるくながれる ときのなか
いまをわすれて むかしにあそぶ
何はさて 優しさこそが ごちそうと
逢瀬を約し 竹馬等散会すなにはさて やさしさこそが ごちそうと
おうせをやくし ちくばらさんかいす
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- 2007/08/12(日) 23:50:00|
- 短歌集・竹馬の友等と残照を生きる
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〜1997年夏・アメリカ旅行〜
世界中の光集めて夢を売る
ブロードウェイ宵の万華鏡せかいじゅうの ひかりあつめて ゆめをうる
ブロードウェイ よいのまんげきょう
マチネエが捌けてあふれる人をわけ
リムジンがゆく 出前ピザを尻目にマチネエが はけてあふれる ひとをわけ
リムジンがゆく でまえピザをしりめに
失いし 時整えて 過ぎる街
ワシントン広場は 青春の庭ならむうしないし ときととのえて すぎるまち
わしんとんひろばは せいしゅんのにわならん
夢求めパッションを食ひ大切な
とき置き土産とせしか ブルックリンの壁にゆめもとめ パッションをくい たいせつな
ときおきみやげとせしか ブルックリンのかべに
アクターズ・スタジオのうす桃色の階段を
撫でてみただけ舐めたい程にアクターズ・スタジオの うすももいろの かいだんを
なでてみただけ なめたいほどに
ブロードウェイの光の中で箸をとり
味噌汁すすり 又歩み出すブロードウェイの ひかりのなかで はしをとり
みそしるすすり またあゆみだす
欄に せまる女神像と 握手したし
ハドソン川のディナー・クルーズおばしまに せまるめがみぞうと あくしゅしたし
ハドソンがわの ディナークルーズ
ステンド・グラスの 明暗の内に 魂鎮まる
壁に聖人集う セントパトリック教会ステンドグラスの めいあんのうちに たましずまる
かべにせいじんつどう セントパトリックきょうかい
ハドソン川より のぞむ摩天楼に 千切れ雲
かずかずの窓に アメリカン・ドリームはどそんがわより のぞむまてんろうに ちぎれぐも
かずかずのまどに アメリカン・ドリーム
やがて、時は流れた・・・
且て仰ぎし あの摩天楼よ 街角よ
自由の國の 生命飲み込みぬかつてあおぎし あのまてんろうよ まちかどよ
じゆうのくにの いのちのみこみぬ
ひたすら、天に祈るのみ
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- 2007/07/26(木) 22:15:02|
- 短歌集・ニューヨーク吟行
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短歌集「命の旅」その1
とまどえば 紙に向かうなり
涙あらば インク滲ませ 一人ゐの詩とまどえば かみにむかうなり
なみだあらば インクにじませ ひとりいのうた
16歳の秋・・・
入り潮の 香もなく ネオンの波ばかり
迷いカモメか ここは数寄屋橋いりしおの かもなく ネオンのなみばかり
まよいカモメか ここはすきやばし
チンチン電車(市電)にゆられ、築地から牛込見付(神楽坂下)まで津久戸小学校に通学した。早朝、数寄屋橋の上をカモメが飛んでいた
風立ちて いざ添え木せむと庭に立てば
抜きかねてありし 母小草咲きぬかぜたちて いざそえぎせんと にわにたてば
ぬきかねてありし ははこぐささきぬ
亡夫一周のおりに
松風を わけてぞすぐる 古希の関
ぬくもり運ぶ 足跡の詩まつかぜを わけてぞすぐる こきのせき
ぬくもりはこぶ あしあとのうた
ここまで来た、これからも行く、ありがとうの旅路
つき離し 見まわすことを おぼえたり
ふりみだし来し 髪ととのえてつきはなし みまわすことを おぼえたり
ふりみだしきし かみととのえて
一人息子、結婚す
かにかくに 不惑知命は 汗まみれ
負ひ来し荷解き なさけの湯あみかにかくに ふわくちめいは あせまみれ
おいきしにとき なさけのゆあみ
また一つ関の戸をあけた、生き方を整え歩みだす。
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- 2007/05/13(日) 21:04:32|
- 短歌集・命の旅
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短歌集「神楽坂慕情」その1
「神楽坂慕情」 ふるさとを 思えば聞こゆ 神楽ばやし
坂をのぼれば 毎夜縁日 ふるさとを おもえばきこゆ かぐらばやし
さかをのぼれば まいよえんにち
かつて縁日でにぎわった神楽坂通りは、昔の肴町までぎっしりと露天商でうまっていた。
縁日の 口上に酔うて 通ひつめれば
おじさんがくれた バナナ一本 えんにちの こうじょうにようて かよいつめれば
おじさんがくれた バナナいっぽん
バナナの叩き売りが大好きだった。人の足の間をくぐって必ず最前列。
花街の 朝の空気は 気だるくて
夕べ縁日 本の立ち読み はなまちの あさのくうきは けだるくて
ゆうべえんにち ほんのたちよみ
私の育った店の前には、雨さえふらねば、毎日本の露天商が出ていた。
立ち読みをしても、店のおじさんは叱らなかった。
父も叔父も 同窓として 生き生きし
津久戸の丘の 白き学び舎 ちちもおじも どうそうとして いきいきし
つくどのおかの しろきまなびや
現在は新宿区立だが、かつては牛込区立津久戸小学校であった。
代々の 情けしみつく 神楽坂
のぼる足許に 血煙りぞ舞う だいだいの なさけしみつく かぐらざか
のぼるあしもとに ちけむりぞまう
三代目神楽坂育ち。
かつてありき 演芸場前 ぶらぶらり
ふと志ん生の声 風の間にまに かつてありき えんげいじょうまえ ぶらりぶらり
ふとしんしょうのこえ かぜのまにまに
「神楽坂演芸場」に小学校一年生より祖母に連れられ通った。
演芸場には友人がいて、舞台の袖でそっと座っていた日もあった。
お向ひの 店の奥から 手をばふる
父が見えたり ここは龍公亭 おむかいの みせのおくから てをばふる
ちちがみえたり ここはりゅうこうてい
神楽坂通り商店街に今でもある中華料理店「龍公亭」はかつて「あやめそば」と言われ、
現在もメニューには「あやめそば」がある。
あやめそば 向ひの店は 世今堂
神楽坂上 夏の世の夢 あやめそば むかいのみせは せこんどう
かぐらざかうえ なつのよのゆめ
私の育った時計眼鏡貴金属店「世今堂」は、明治・大正・昭和、三つの時代の暖簾であった。
それなりの 道をたどれば 足の裏を
もぞとくすぐる ふるさと神楽坂 それなりの みちをたどれば あしのうらを
もぞとくすぐる ふるさとかぐらざか
ふるさと神楽坂よがんばれ!
うたかたの 過去がすいつく 石畳
足裏くすぐるか ふるさと神楽坂 うたかたの かこがすいつく いしだたみ
あしうらくすぐるか ふるさとかぐらざか
大好きなふるさと神楽坂の石畳に、扇模様のすべり止めを刻む石工さんの姿が忘れられない。
桜散るなよ やがて左づまとる 友達の
宿題を解いていた 夕暮れの校舎
さくらちるなよ やがてひだりづまとる ともだちの
しゅくだいをといていた ゆうぐれのこうしゃ
私は国民学校第一回卒業生、そして、太平洋戦争が始まった。
あの夕べ、やがて花街で暮らす友が心配であった。
坂のある ふるさと詣で 神楽囃子
メンコ、ベーゴマ 切れぎれの夢 さかのある ふるさともうで かぐらばやし
メンコ ベーゴマ きれぎれのゆめ
神楽坂を登り切り、今もある「毘沙門様」と呼ばれる寺内が遊び場であった。
女であっても、メンコ、ベーゴマ、戦争ごっこが大好きなお転婆でした。
桜咲き 東京音頭に 浮かれ出で
半玉さんの カンザシゆらり さくらさき とうきょうおんどに うかれいで
はんぎょくさんの かんざしゆらり
半玉(はんぎょく)とは、まだ一人前として扱われず、玉代(ぎよくだい)も半人分である芸者さんのこと。芸者の卵。
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- 2007/04/25(水) 22:01:18|
- 短歌集・神楽坂慕情
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