可久鼓桃の一人同人誌「人間日和」

東京・京橋生まれの神楽坂育ち、79歳の江戸っ子3代目歌人「可久鼓桃(かくことう)」が 自作の短歌・詩・エッセイ・小説を発表する一人同人誌「人間日和(にんげんびより)」

短歌集「ニューヨーク吟行」その1

〜1997年夏・アメリカ旅行〜

世界中の光集めて夢を売る
ブロードウェイ宵の万華鏡


せかいじゅうの ひかりあつめて ゆめをうる
 ブロードウェイ よいのまんげきょう


マチネエが捌けてあふれる人をわけ
リムジンがゆく 出前ピザを尻目に


マチネエが はけてあふれる ひとをわけ
 リムジンがゆく でまえピザをしりめに


失いし 時整えて 過ぎる街
ワシントン広場は 青春の庭ならむ


うしないし ときととのえて すぎるまち
 わしんとんひろばは せいしゅんのにわならん


夢求めパッションを食ひ大切な
とき置き土産とせしか ブルックリンの壁に


ゆめもとめ パッションをくい たいせつな
 ときおきみやげとせしか ブルックリンのかべに


アクターズ・スタジオのうす桃色の階段を
撫でてみただけ舐めたい程に


アクターズ・スタジオの うすももいろの かいだんを
 なでてみただけ なめたいほどに


ブロードウェイの光の中で箸をとり
味噌汁すすり 又歩み出す


ブロードウェイの ひかりのなかで はしをとり
 みそしるすすり またあゆみだす


欄に せまる女神像と 握手したし
ハドソン川のディナー・クルーズ


おばしまに せまるめがみぞうと あくしゅしたし
 ハドソンがわの ディナークルーズ


ステンド・グラスの 明暗の内に 魂鎮まる
壁に聖人集う セントパトリック教会


ステンドグラスの めいあんのうちに たましずまる
 かべにせいじんつどう セントパトリックきょうかい


ハドソン川より のぞむ摩天楼に 千切れ雲
かずかずの窓に アメリカン・ドリーム


はどそんがわより のぞむまてんろうに ちぎれぐも
 かずかずのまどに アメリカン・ドリーム 


やがて、時は流れた・・・


且て仰ぎし あの摩天楼よ 街角よ
自由の國の 生命飲み込みぬ


かつてあおぎし あのまてんろうよ まちかどよ
じゆうのくにの いのちのみこみぬ


ひたすら、天に祈るのみ


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  1. 2007/07/26(木) 22:15:02|
  2. 短歌集・ニューヨーク吟行
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