2010/03/05
短歌集「五反田NTT病院個室の窓より」
短歌集「五反田NTT病院個室の窓より」リハビリの 室に満ちたる エネルギィ
痛む身くくり かけ登りたり
りはびりの しつにみちたる えねるぎい
いたむみくくり かけのぼりたり
このたびは 痛み不眠が身をえぐる
亡夫の若き姿 窓ガラスよりのぞく
このたびは いたみふみんがみをえぐる
ぼうふのわかきすがた まどがらすよりのぞく
おそいくる 痛み不眠の その中で
うつらうつら 亡夫との夏の病室
おそいくる いたみふみんの そのなかで
うつらうつら ぼうふとのなつのびょうしつ
灰色の 空に負けじと 追い車
生命はこぶか いとしこの手押し車よ
はいいろの そらにまけじと おいぐるま
いのちはこぶか いとしこのておしぐるまよ
思ひおぼろ 八十路手術の 痛みほどけ
冬空の雲 我が夢をかりたて給へ
おもいおぼろ やそじしゅじゅつの いたみほどけ
ふゆぞらのくも わがゆめをかりたてたまえ

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