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短歌集「命の旅」その3

負ひし子と メルトモとなり かなを打つ
「脳よさすらうな」と 時あやつりて


おひしこと メルトモとなり かなをうつ
 「のうよさすらうな」と、ときあやつりて


静々と 舞殿にふる 桜花
香華声明 ひそと絹ずれ


しずしずと まいどのにふる さくらばな
 こうげしょうみょう ひそときぬずれ

(鎌倉鶴岡八幡宮にて)



あら玉の 東雲の空 陽は走る
同行二人 うたた曼荼羅


あらたまの しののめのそら ひははしる
 どうぎょうににん うたたまんだら

(年の初めのご挨拶)



紫の 花すべてよろしと 言ひてありき
夫の胸許の 傷ぐちを恋う


むらさきの はなすべてよろしと いいてありき
 つまのむなもとの きずぐちをこう


春の道 真夏の陽差し 秋の道
よりそひし小径は 今や片道


はるのみち まなつのひざし あきのみち
 よりそひしこみちは いまやかたみち


残されて 残る思ひの 旅支度
仰ぐ満天の星の 我はひとつぶ


のこされて のこるおもいの たびじたく
 あおぐまんてんのほしの われはひとつぶ


見上ぐれば 満天の星 たらひの湯
草花に笑われ 老天女は湯浴み


みあぐれば まんてんのほし たらいのゆ
 くさばなにわらわれ ろうてんにょはゆあみ


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短歌集「命の旅」その2

あだし野の 果てになげたる あくがれを
かき集め居る 残照の日々


あだしのの はてになげたる あくがれを
 かきあつめおる ざんしょうのひび


陽は真昼 緑風を受け 気をひらき
きめ事もせず 時にたゆたふ


ひはまひる りょくふうをうけ きをひらき
 きめごともせず ときにたゆたう


風光り 四方に生命の 気は満てり
人知れずこそ 紅さして春


かぜひかり よもにいのちの きはみてり
 ひとしれずこそ べにさしてはる 


生き生きて 背なに染みたる 切れぎれの
喜・怒・哀・楽の なんと愛しや


いきいきて せなにしみたる きれぎれの
 き・ど・あい・らくの なんといとしや


つるべ落ちの 生命の光 夢の波
めぐる光陰に ひたすら合掌


つるべおちの いのちのひかり ゆめのなみ
 めぐるこういんに ひたすらがっしょう


楽も苦も 面白かったと 大あくび
あとはオツリと シャレて楽天


らくもくも おもしろかったと おおあくび
 あとはおつりと しゃれてらくてん


地はうねり 川あばれ抜く 大自然よ
新世紀の生命に 何を問うてか


ちはうねり かわあばれぬく だいしぜんよ
 しんせいきのいのちに なにをとうてか


入り相の 鐘の音咽び 江戸風情
朝顔 風鈴 熊手 羽子板


いりあいの かねのねむせび えどふぜい
 あさがお ふうりん くまで はごいた 

(祖母に手を引かれ、毎月、手を合わせた浅草寺。父と飲んだ甘い電気ブラン。叔父と通った国際劇場。すべて幼い日の夢のワールド)


釣瓶取られ 情の河は 荒立ちしが
時を跨ぎて 程良き日和


つるべとられ なさけのかわは あらだちしが
 ときをまたぎて ほどよきひより

(生命の旅は、ありがとうの旅)


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短歌集「命の旅」その1

短歌集「命の旅」その1

とまどえば 紙に向かうなり
 涙あらば インク滲ませ 一人ゐの詩


とまどえば かみにむかうなり
 なみだあらば インクにじませ ひとりいのうた

16歳の秋・・・


入り潮の 香もなく ネオンの波ばかり
 迷いカモメか ここは数寄屋橋


いりしおの かもなく ネオンのなみばかり
 まよいカモメか ここはすきやばし

チンチン電車(市電)にゆられ、築地から牛込見付(神楽坂下)まで津久戸小学校に通学した。早朝、数寄屋橋の上をカモメが飛んでいた



風立ちて いざ添え木せむと庭に立てば
 抜きかねてありし 母小草咲きぬ


かぜたちて いざそえぎせんと にわにたてば
 ぬきかねてありし ははこぐささきぬ

亡夫一周のおりに


松風を わけてぞすぐる 古希の関
 ぬくもり運ぶ 足跡の詩


まつかぜを わけてぞすぐる こきのせき
 ぬくもりはこぶ あしあとのうた


ここまで来た、これからも行く、ありがとうの旅路


つき離し 見まわすことを おぼえたり
 ふりみだし来し 髪ととのえて


つきはなし みまわすことを おぼえたり
 ふりみだしきし かみととのえて

一人息子、結婚す


かにかくに 不惑知命は 汗まみれ
 負ひ来し荷解き なさけの湯あみ


かにかくに ふわくちめいは あせまみれ
 おいきしにとき なさけのゆあみ


また一つ関の戸をあけた、生き方を整え歩みだす。


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プロフィール

可久鼓桃

Author:可久鼓桃
東京・京橋生まれの神楽坂育ち。
江戸っ子3代目。
昭和4年生まれの88歳。
短歌、詩、小説、絵画など幅広く表現。
運命鑑定家でもある。

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